アマチュア無線(Radio Amateur)

アマチュア無線は「もっぱら個人的興味よって行なわれる,自己訓練,無線通信」をいいます. 本当はちゃんとした定義があるんだけど,つい忘れてしまいました.
もちろん,無線局を運用するためには無線従事者免許証が必要です. 私は「第1級アマチュア無線技士」という免許を持っています. これは,移動しないアマチュア無線局としては送信出力が無制限の送信機を 扱える資格です.移動する局の場合は50Wまでです. また,無線局を開設するためには無線局免許状も必要です. 免許状にはコールサインが書かれています.コールサインは無線局を特定する名前のようなものです. 私は,移動する局には「7L1FFN」というコールサインを 郵政省関東電気通信監理局から受けており送信出力50Wまでの送信機を扱うことができます. また,移動しない局としては「JS2LGP」というコールサインを 郵政省東海電気通信監理局から 受けていて,送信出力100Wまでの無線機を扱うことができます. 身近にあるラジオやテレビの電波だって,放送局がちゃんと免許を受けてコールサインを 受けています. テレビの場合には,深夜の「歌う天気予報」の後の放送終了直前にそのコールサインを 見かけることができますね.
アマチュア無線と言うと,毎日マイクを握って誰かと交信しているくら〜い姿を 想像するかも知れませんが,実はそうでもないんです. 電波,特に高い周波数の電波は標高が高く,まわりが見渡せるところでは驚くところまで 届くのです. 名古屋付近では伊吹山とか御在所岳とかに行くと,ハンディ機(最大送信出力5W)でも 濃尾平野はもちろん,四国・中国地方,関東地方の方と交信できるようになります. 山登りやハイキングも一緒に楽しめてしまうというアウトドア指向の趣味なのです.
アマチュア無線で発射してよい電波の周波数は決まっています. 主に,3MHz以下はMF(Middle Frequency),30MHz以下はHF(High Frequency)と呼んでいます. その上は,300MHzまでがVHF(Very High Frequency),3000MHzまでをUHF(Ultra High Frequency), その上はSHF(Super High Frequency)などと呼びます. 短波はSWと呼ばれますがこれはShort Waveの略です. HF帯だと地球の地面と上空の電離層の間を反射しながら電波が伝搬されるので,国内はもちろん, 世界の方とも交信できます.もちろん,そこまで電波を届かせるためにはそれなりの 努力が必要ですけどね.
電波の飛びは送信する周波数や送信出力以前に,運用する場所とアンテナに依存します. 私は無線機も自作しますが,それ以上に電波の飛びそうな場所を探しに山に登ったり, アンテナを自作したりしています.
私の場合はマンションに住んでいるので,へたに電波を発射すると近隣の住民の皆さんに 迷惑をかけてしまうことがあり,普段はほとんどしません. しかし,1年に数回行なわれているコンテストには気合いを入れて参加します. コンテストは決められた時間内にできるだけたくさんの人と,できるだけたくさんの場所と 交信する戦いの場です. もっぱら国内のV/UHF帯コンテストに参加しています.結果は まずまずと言いながら,ちゃっかり 賞状をいただいています.
最近,スキーやドライブで便利だからとか言って,無線従事者免許や無線局免許を受けていない人が アマチュア無線機を使ったりすることがあるようですが,これは明らかに電波法に違反しています. 1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処されますから,絶対にしてはなりません. 自動車の違反と違って,いきなり逮捕状で前科者になってしまいます.
だからといって,免許の取得方法は難しいわけではありません.まずは無線従事者免許を取得します. これは無線機やさんに行って,無線従事者免許受験申請書を購入します. 名古屋大学ではまだのようですが,大学生協でも取り扱っているところもあるそうです. そして,試験に合格しなければなりません.といっても,小学生でも合格できる試験ですから 本屋に行って数百円の受験問題集を購入して勉強しましょう.基本的には同じ問題が出ます. そして試験に合格したら無線従事者免許の申請をしましょう.1カ月ほどで免許証が送られて 来ます.第1級,第2級アマチュア無線技士は郵政省,第3級,第4級は管轄する電気通信監理局 名で免許証が発行されています.色は前者が薄緑色,後者が白色です. 運転免許証と同じようにラミネートコートされていますが,その有効期間は一生です. 免許証の書き替えはありません.ですから,写っている写真は一生そのままなのです.
次は無線免許状の申請です. これも無線局免許状申請用紙を無線機やさんで購入してそれに従って免許状を申請します. 1カ月ほどで免許状が送られてきて,これで晴れて電波を発射できるわけです.
さて,アマチュア無線の実際の運用方法ですが,はじめは他の人が交信しているのをよく 聞きましょう.これを「ワッチする」と言います.あとはこれを真似して運用しましょう. くれぐれも間違った運用をしている人を真似ないように. そして勇気を持ってCQを出してみましょう.これであなたのアマチュア無線の世界がどんどん 広がって行きますよ.
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