かくとだに えやは いぶきの さしも草 さしも 知らじな 燃ゆる 思ひを (作者)藤原実方朝臣 <歌意> このように(あなたを恋慕っている)とさえも打ち明けることが できないのですから、(まして)伊吹山のさしも草ではないが、 それほど(恋こがれている)とは御存知ないことでしょうね。 (私の心の中で)燃えさかる思いを。 <作者> 作者藤原実方は、左近中将のときに、殿上で暴力をふるったために 一条天皇の怒りをかい、「歌枕見てまいれ」と陸奥守に左遷された という。「今昔物語」「大鏡」に説話が伝えられ、清少納言とも交 流があったらしい。 ?~長徳4(998�)戻る。