君が為、 惜しからざりし 命さへ、 長くもがなと おもいけるかな (作者)藤原義孝 <歌意> 君にもう一度会えるならば、死んでもかまわない、 そうずっとおもっていたけれども、 こうして再び君にあうことができ、今は出来ることならば、 ずっと君の側にいるために長生きをしたい、そうおもうようになった。 <作者> 作者藤原義孝は、謙徳公の子で、有名な行成(三蹟の一人)の父である。 若くから出家の志が深かったが、天然痘のため、21歳で没した薄命の 貴公子で、「大鏡」にその美しさを讃えた文がある。 天暦8(954)〜天延2(974)。戻る。